田舎映画2題

と、そのまえに、
世界柔道、鈴木選手のは納得いかんね。
技がなくても場外でも、引っかけでも、フェイントでも
とにかく最後に背中をつかせたほうが勝ちっていうのが「国際ルール」なんですかね。
いつから?ぜんぜん知らんかった。
柔道ではない「JUDO」なのだ、とかまことしやかに言われてますけど、
どうみても「柔道が普通に劣化したもの」にしか見えない結果でした。


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「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「天然コケッコー」立てつづけに観た。
偶然にも、どちらも日本の田舎が舞台の映画です。

「天然コケッコー」は、くらもちふさこの原作漫画がとても良いのです~。
この方と山岸涼子、今でもちぇけらしている唯一の少女マンガ家なんです。

話の筋自体は、なんにもない。ハリウッド映画みたいにわかりやすく盛り上がりやすい起承転結やどんでん返しもない。
田舎万歳、とか青春ていいよね、みたいなメッセージの押し付けも一切ない。
中学2年生の女の子を中心に、田舎の分校で過ごす子供たちを、その家族を、その風景とともに、彼女の心の動きをただただ描いているという感じ。

説明くさいせりふや音楽も一切排し、登場人物の表情とつぶやきと、そのとき彼や彼女が見ていたであろう風景をすっと挟み込んで小さなエピソードをつないでいく。
おお泣きも大笑いもしないけど見終わったあともしばらくジンジン来るようないい映画でした。

原作自体、よくもまあこんなに微妙な心のあやを描けるなあ…と感心してしまうものなんですが、
映画がそれをそのまま本当にうまく映像にしていたのには本当にびっくりしました。
音楽も、よくぞ選んでくれました、レイ・ハラカミ!って思いました。
くるりの主題歌もむちゃくちゃあってる。

普通、好きな漫画の映画化って見に行くのひるむねんけどね。
キャスティングがなかなかぴったりで、とくに、郵便局員のシゲちゃん(根拠もなく自信に満ち溢れている絶妙な性格の登場人物)がそのまんまでびっくりしたな。
てか、シゲちゃんの顔を公式webで見てすぐに、映画館に行こうと決めました。
脚本の渡辺あやさんもくらもちさんの熱烈なファンだというのが良くわかります。

こんなに大事に愛されていい映画になって、原作の漫画も幸せだなあ。
マーケティングやら政治的な理由やらで破壊される作品も多々ある世の中だというのに、ね。

「腑抜けども」の「田舎」は、「都会」的であろうとする主人公が見事に浮きまくる舞台として存在しています。田舎特有の閉塞感、皆が知り合いで家族のようなものであるが故のうっとおしさ。メインテーマはそれではないんですが。
佐藤江梨子が主役のサイコパスな女にぴったりでした。
異母兄弟の兄(永瀬正敏)の妻が夫にぼこぼこにされても義理の妹にいじめられても終始ニコニコしてて一番変でしたが、ちょっとそれが狙いすぎに思えて、惜しい気が。
その妻(永作博美)が変な歌を歌いながら、むちゃ変な顔の人形をかわいいかわいいと偏執的に作り続ける、というエピソードがあるんですが、
その変さにもうすこしリアリティがあったほうがおもろいのにな、とか。

同時に、オカンアートっていう分野(?)を思い出しました。
「主婦よ、何故創る…」とシェイクスピアが昔もうちょっとで言ったかもしれないぐらい、
主婦って者は手作りをしますよね。
うちのおかんもしょっちゅう何かにはまっては、家中をねんど人形やらパッチワークやらで飾り立ててます。
それがもう、この映画みたいにおびただしい数になったりしたら、ある意味恐怖を覚えるかもしれませんね。

それと、ところどころギャグがちりばめてあったんですが、私が見に行った日はことごとく水を打ったように静かでした。ああ、これは笑うところだなって身構えてしまうぐらい、わかりやすかったせいかもしれません。

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