M-1グランプリ2007/感傷的な散歩について


一点の曇りもなく休みました

:::::

M-1、今年はしんどかったです。
「ぼくこんなんやってみたい」「じゃ、やってみよう」…からシチュエーションコントっぽくなるネタばっかりだったのがとてもつらかった。どのコンビも一律同じようなノリで、面白くなかった。
こういうのは、ぎりぎり漫才と言えなくもないけど、漫才の醍醐味とは離れていると思います。
そういう意味ではポイズンはもっと評価されてもええのに。漫才でありながら従来のボケツッコミ方式から逸脱して、かつ新しくって。緊張してたんが惜しい。でもあらためてファンになりました。
サンドウィッチマンは落語の前座で生で見たことあって、その時もおもしろかったけど、う〜ん。優勝ってほどかなあ。
キングコングはがんばり過ぎでは。ず〜っとハイテンションだったので逆に笑えなかったです。
拾い物:オードリー、ナイツ。(敗者復活戦にて。スカパーで見ました。あるところにはあるので暇なときに探してみてください)。むちゃくちゃ笑った。あとジャルジャルは今日はだめだったみたいだけど来年でてくるんちゃうかな、とかやらしいけど書いてみる

::::::

先週は大阪にちょっとだけ遊びに帰りました。犬と遊んだり矢野顕子のライブに行ったり犬と遊んだり。

かつて私は団地っこでした。千里ニュータウンの再開発がここ数年進んでいることは知っていたんですが、ついに自分の住んでいた団地が跡形もなく取り壊されているのを知り、ぽっかり開いた土曜日に、その跡地周辺をセンチメンタルジャニりました。日本語乱れ過ぎです。

千里中央駅には超高層のタワーマンションが建つらしく、大好きだった光り動く彫刻も、新御堂の車中から必ず時間を確認するのに見ていた時計もなくなり、クレーン車の周りに張り巡らされた工事用の白い壁に、やたら横文字の多いマンションの説明が披露されておりました。私は心の中でなにがアーバンじゃなにがタワーじゃと罵詈雑言毒づきました。

駅から歩いて5分ほどですぐに見えるはずの団地郡は、見事になんにもない更地になっていました。あまりの空っぽさに何の感情もわかないほどに。一生懸命かつての我が家を脳内補完してみます。
向かいにあった市場もスーパーになった後、アーバンなんちゃらという民間のマンションになっていました。
私が9年間通ったバレエ教室に使われていた小さな公民館はそのまま残っていました。静まり返った玄関先にたち、またこの場所に出会えた喜びをかみしめつつ、しばし思い出に耽りました。
それから母校である小学校の周りやよく遊んでた公園なんかをてくてく歩きました。同級生にばったりあったらわかるかなあとか考えながら。

そのうち、写真の団地に行き当たりました。ここも再開発の波にもまれ、住人と府との間で立ち退き問題が起こっているところらしいです。強く惹かれるものがありましたがそれは当然で、私の住んでいた団地と全く同じデザイン、作りの建物だったのです。

遠目には、西日に光る団地は布団や風にはためく洗濯物であふれ、花壇のお花も揺れているように見えました。でも近づくについて破れた障子や空っぽの窓が目立ちました。なにより立ち退きに反発する住民の立て看板が目立ちました。胸が苦しくなってきました。
マスクをした数人の住民が、落ち葉を黙々と掃いて掃除しています。とことん落ち葉を掃くんや、と言わんばかりの様子に、静かな怒りさえ感じました。

今はもう遠くに住んでいて当事者でもないし何も言う資格はないのはわかっています。この場所に限らず、古くても危なくないように工夫したり修理したりしながらずっと昔のままの姿でいてほしい、と思うのもあまっちょろい考えだと一笑に付されるでしょう。
でも本当に寂しくて悲しくてたまらなかった散歩でした。
そしてこのかつての新興住宅地が私にとっていかに大きな存在だったかを思い知りました。
ふるさとなどという言葉は自分たちの親の世代、それこそ「ウサギ追いし、小ブナ釣りし」のような山里のことを指すと思っていましたが、そういうわけではないんやな、と思わずに入られませんでした。

千里は3年前に国から再開発指定都市とされているようです。しかし再開発って一体何なんでしょう。東京のどこかのように、大きな商業施設や家電量販店、高級ブランド、自慢げな高い家賃の高層マンションだらけになることが開発なのでしょうか。開発業者のパイの奪い合いのためではなく、多くの地元住民が、それを求めているならしかたがないことなのですが。
箕面の滝も、新道路の貫通で人口の滝になり下がったと聞きました。タクシーの運転手さんは、開通してから3回ぐらいしか通ってないのに、とぼやいてはりました。
道路とタワーマンションだけは本当によく造られますね。ほとんど使われなかろうが、売れ残ろうが。まったくもって腹立たしいです。

そういえばもうひとつ、東京に戻る直前にニュースで見たのですが、国が万博公園機構廃止の考えを表明したらしいです。
大阪府と吹田市が同意すれば、ということで、即そうなるというわけではなさそうですし、そうなったからと言って公園がなくなるわけではないかもしれませんが、渡辺なにがしが「なんでただの一公園を国が面倒みなきゃならないんですかね」というようなことを本当に文字通り鼻で笑いながら言っていたのを見て、
黒い憎悪が入道雲のように胸の中にわき起こり、もう本当に、ここには書けないぐらいの汚い言葉でののしってしまいました。
ああいう人種との価値観の相違に絶望した一瞬でした。

このブログの人気の投稿

ヒマ

フィギュアスケート

昨日は、耐震偽造の参考人招致