本屋さんで本を買う

近所におじいさんが一人でやってる個人商店の本屋さんがあります。小さいお店で品数が限られてますが、絵本だけはこだわりがあるらしく狭いお店の2/3は絵本の平置で埋まってます。壁一面に、一冊ずつ丁寧に絵本が表紙をこちらに向けて鎮座しています。
ある日まだ乳飲み子の娘を連れてその店に入りました。 おもちゃの付録がついた幼児向け雑誌をレジに持って行きました。
おじいさんの風貌は、ちょっと天本英世さんに似ています。
店主の天本さんは雑誌をビニールの手提げに入れようとして舌打ちしました。マチが無い袋に入れるには、その雑誌はちょっと厚みがあったからです。
30秒位ガサガサと袋に入れようと格闘しました。やっと入ると袋はパンパンに湾曲していました。
「まったく、中身で勝負しないでふろくで勝負しようとするから」
天本さんは舌打ちまじりに一言吐き捨てました。
(そんな雑誌を買っていくアホ親でございます…)
と申し訳なく思いながら、にやにやして袋を受け取るしかありませんでした。
でもそれで、私はすこしこの本屋を見直しました。
開店時間もよく解らないし、お店もぼろぼろだし、絵本しか無いし、大変なんだろうけどやる気も無いのかな、と思っていたのですが、絵本に関しては、確実に信念を持ってお店を開いていることが伝わってきたからです。

とはいえ、それからそこで買い物したのは2回位です。つい近所の大型ショッピングモール内の本屋で買ったりアマゾンで注文していました。

昨日の事ですが、その大型店で、久しぶりに子供に絵本を買いました。長谷川義史著の「ようちえんいやや」です。
子供はすごく気に入って、何度も朗読をせがまれました。4歳になる娘はここ1年位、なぜか本に関しては黙読したがり、読み聞かせようとすると拒否されていました。ところがこの本に関しては私の本場仕込みの大阪弁の発音と演技力がよかったのか、ものすごいせがみようで久しぶりに私は汗が出るほどなんども読み聞かせました。

ふと、この絵本をなぜ天本さんのところで買わなかったのだろう、と思いました。
いいタイミングで、Twitterである人がアマゾンを断つ、という宣言をされていました。
私も日頃から、大型店やネットを利用しながらも、それらの地元に根付いている個人商店食いに一抹の疑問を感じていました。
アマゾンは日本で合法的でありながら、結構な税金を逃れていると聞いています。ショールーミングされるという電気屋さんの悲鳴も報道されています。
どうしても安いので電化製品は頼ってしまうのですが、本に関しては値段も変わらないのだし、近所で買えば送料も常にただ、そんなに急いで買う必要も無い。
絵本なら、あのお店に行けば必ず何かあるだろうし、注文の手もある。
何より一番近いおみせなんだから、もっと使える。なんで今までそうしなかったんだろ、と思いました。

明日早速本のISBNコードをメモして、天本さんのお店に行ってみようと思います。
取り寄せはしてないって言われるかもしれないし、そもそも開いてるかどうかもわからないけど。

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