弱いイヌほど武器を持つ

寝る前に歯を磨きながら、岩波ブックレットno.657「憲法を変えて戦争へ行こう、という世の中にしないための18人の発言」を何気なく読み始めたら止まらなくなり、胸がどきどきして今度は眠れなくなったので日記を開いた。

18人のいろんな分野の人が説得力のあるシンプルな言葉で、ウケや地位や名誉のためではなく、本当に真摯に憲法9条改憲がなぜいけないと思うのか、を述べておられ、読み終わるころには涙が出そうになった。

自分は改憲反対だが、その意見はそんなに深い経験や強固な理論に裏づけされたものではなかった。賛成派の人に論破されて泣いて家に帰ってしまいそうな、吹けば飛ぶようなものだった。でもこの本を読んで、自分の考えに確信を持っていいのだと強く励まされ、とてもうれしかった。

以下、改憲賛成派の人の典型的な意見と、それに対応しているこの本の言葉を引用させていただきます。

●改憲して普通の国になろう、という人に…
「その「普通の国」の意味がよくわかりませんね。そんなことを言うのは、"平和ボケ"した、戦争を知らない人たちの意見ではないでしょうか。---中村哲、医師」
「軍備増強の"普通"より、武力放棄の"個性"を選びたいです。---hyla、デザイナー」

●軍備による自衛力がないと怖いという人…
「丸腰の強さ---中村哲、医師」
「むしろ、国際紛争を解決するための手段としての武力を放棄した、いまの憲法9条の枠組みのほうがテロには対応している---姜尚中、東京大学教授」
「自衛隊が派遣された国でこそ、日本人が殺されている---hyla」

●アメリカに押し付けられたものだから自立して日本人で作ればよい…
「憲法はその出自でなくて、現実にどういう機能を果たしているかが問題---姜尚中」
「改憲派の人々は、アメリカからの強い要請もあり…9条改憲が不可避であるといいますが…---品川正治、経済同友会副代表幹事」
「誰が作ったかて、ええもんはいただく---hyla」

●国際貢献のためにはお金だけでなく汗も流さなければ…
「なぜ武器を持った兵隊でなければ、国際貢献が出来ないのでしょうか。---吉永小百合、女優」
「みんな全部他人のことだと思っているから平気でいられるのです。---美輪明宏、俳優、歌手」
「この世は金だ…うそ。金で解決するほうが血を流すよりよっぽどいい---hyla」

●テロや北朝鮮がこわいから…
「非現実的な事態を想定して、国民の恐怖心をあおるということは政治家や経済人のとるべき態度ではありません---品川正治」
「そんなのは、悪のファンタジーですよ。---井筒和幸、映画監督」
「日本版"恐怖の商人"にはだまされへんで!鳥インフルエンザも全然けーへんやんか!---hyla」

(以上、岩波ブックレット「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」より抜粋、敬称略。各項目の末席を汚している私、hylaの言葉以外。)

ああ、この方たちのお話に、溜飲が下がるといわずして何といおう。

平和や戦争反対を叫ぶ人たちに対して、理想論だとか非現実的だとかいう人に言いたい、
軍隊を持ったり核の必要性をとなえたり、テロの危険性ばかり言うあなたこそ、
ハリウッド映画やゲームに感化された夢想家、(アメリカン)ドリーマーだと。

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